仮面ライダーアマゾン Vol.1出演:
東映
発売日 2003-08-08
オススメ度:★★★★
「仮面ライダーX」に続いて1974年秋より放映されたシリーズだが、放送系列局の変更のために、ライダー・シリーズとしては短命な24本で終了している。
シリーズの原点に戻る意味での、怪奇性の強調と野性的なアクションがこのシリーズの持ち味で、アマゾンからインカの秘密を追って日本にやって来た青年・山本大介は初期エピソードにおいて腰布1枚、まともな言葉さえ喋れないという設定であった。
アマゾンが従来の仮面ライダーと最も異なる点は、キック技を使わず、相手を切断する「大切断」を決め技としたところである。毎回鮮血をあげ死んでいく敵怪人の中から、気弱故アマゾンの味方に転じて、レギュラー入りするモグラ獣人なんて奇妙なヤツまでが出現した。それでもライダー・シリーズ唯一のレギュラー・キャラである立花藤兵衛(小林昭二)はこのシリーズにも登場し、怪しくモデファイされたバイク・ジャングラーのライディングを指導するのであった。(斉藤守彦)
「痛み」の伝わる演出を見よ! 2003-05-15
歴代ライダーの中では飛びぬけて異色な存在扱いされることが多いのが、この『仮面ライダーアマゾン』。しかし、その異色さ故に却って印象に残っているのも事実。主人公であるアマゾン=山本大介が日本語をしゃべれないことから生じる誤解、敵であるゲドンの獣人がなぜアマゾンを襲うのかが不明瞭(少なくともモグラ獣人との戦いまでは)なこと、怪人というよりモンスターに近い獣人のデザインなどは、前作『X』でやろうとして見事にコケたサスペンス路線をより怪奇風なノリで再消化した上で継承しているようにも思えるが、アマゾン最大の特徴は「痛み」。
言葉がしゃべれない故に故郷である日本の人々に疎外される心の痛みもそうだが、番組前半での上半身ハダカな状態での血まみれ&生傷だらけのアクションや、必殺技の大切断に代表される、敵の腕を引きちぎったりは当たり前の獣人との攻防は、スタイリッシュなイメージのあるXとはまさしく功一対。アマゾン以外のライダーではまず見られない、直裁的かつダイナミックな肉弾アクションは、今見ても……いや今だからこそ貴重な映像である。個人的には名バイプレイヤーとして活躍したシリーズ初の善玉怪人・モグラ獣人の存在が印象深い。この巻には収録されていないが、彼がガランダーのキノコ獣人に殺害される『モグラ獣人最後の活躍!』は涙なしでは見られない。
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