仮面ライダー VOL.1出演:
東映
発売日 2005-10-21
オススメ度:★★★★★
「サイボーグ009」と並ぶ、萬画家・石ノ森章太郎の代表作を東映がTV化。現在に至るまで「仮面ライダー」の名を冠したシリーズが製作されている、その元祖たる98本の作品群。
怪奇ムードが濃厚な初期=本郷猛前期編、パワフルなアクションと個性豊かな怪人・大幹部たちが続出する一文字隼人編、ショッカーからゲルショッカーへと敵組織の再編。そして原作でも大きなウェイトを占める「ショッカーライダー」の登場と、大河ドラマ的連続性が見事なうねりを見せる本郷猛後期編。どの時期どの作品をとっても楽しめ、改造人間として生きる本郷の哀しさと孤独、明朗な一文字の軽快な演技、そしてふたりのライダーをバックアップする立花藤兵衛(小林昭二)、FBI捜査官滝和也(千葉治郎)といった面々の個性も見物。子供番組の枠を超え、社会現象とまで称された“変身”モノ。そのアクティブなエンタテインメント絶対主義は、新世紀となった現代でも断固健在。(斉藤守彦)
実際に藤岡氏が中に入っていた最初期の旧1号だけが持つ独特の存在感を堪能すべし。 2005-11-14
正に初期ライダーおよび石ノ森原作へのオマージュとも言うべき映画『仮面ライダー The First』を観た後、無性に旧1号の活躍する姿が観たくなって思わず購入してしまった。現在まで続く国民的ヒーローの足跡は、正にここから始まったのである。子供の頃は正直気持ち悪いと思った旧1号の渋さが分かってきて、自分でも大人になったなあと思う。あのダークな色彩、ヒーローらしからぬ異形の姿こそ、仮面ライダーの本質を表している。要は「バッタ男」が脳手術前に脱走して仮面ライダーと名乗っているだけで、本来なら蜘蛛男や蝙蝠男と同列に扱われるべき存在なのだ。そしてそれこそがライダーだけが背負う悲しみや業を象徴している。藤岡弘氏が撮影中の事故で入院したために、バンクフィルムに声優が声をあてるという前代未聞の事態となった8話〜13話(Vol.2に収録)も別の意味で必見だが、やはり本当の意味で旧1号の活躍が堪能できるのはこのVol.1に収録の第一クール前半である。フィルム全体に漂う手探り感、それまでにないものを作ろうというアグレッシブな実験精神は今でもビリビリ伝わってくる。あと余談になるがこの時期のライダーの着ぐるみには実際に藤岡氏が入って一部のスタントを除いては本人が演じていたのだが、その所作や佇まいが何とも色っぽいのである。所謂体育会系のガッチリした体格のスーツアクターの人では絶対に出ない独特のエロティシズムを放つ旧1号の存在感こそが、この第一クール前半でしか味わえない持ち味ではないだろうか。
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